多様で多人数の相手を滑らかにコントロールする技術

要するに、コロナワクチンの「大規模接種会場」by自衛隊は、

すごいテクニックで運営されていた!

ということ。

 

豊富な物量と圧倒的な人員配置、シンプルでわかりやすい掲示

によって、動線を作り、結界を張って、空間を支配しておき、

多数の一般市民を制御し、処理していく。

 

完璧な段取りと、そこからくる余裕でもって一切の混乱を

排除している。この段取りは、一見の価値あり。学ぶ価値あり。

(学生には、それを体験するだけでも価値ある、とメッセージした)

 

 

今日(2021年8月19日)はコロナワクチン記念日。

まず、今朝、晴れてたのにすごい勢いでにわか雨、そして雨上がりの虹!

というところからスタート。

 

房総の広〜い空に、虹のアーチがドーンとかかっていると、

どんな予定の日でも、ハッピーなスタート。

さすが、L'arc en ciel (空のアーチ)と呼ばれるだけのことはある!

 

そして今日は、、仕事を半休にして大手町まで行ってワクチン接種(1回目)。

注射も嫌いだし、mRNAワクチンについて勉強もできてない状態のため、

結構ネガティブな自分としては、非常〜に面倒、、

 

 

しかし、家族からワクハラまがいの仕打ちを時々受ける身としては

しょうがない。自分だけ飯が無かったりしたら、たまらん。

 

というわけで、たまたまwebサイトから予約できてしまった

時間帯を目指して、午後半休にして都内に移動。

 

 

 

万が一にも遅れてはならぬと、ちょっと早めに移動したら

早すぎた。午後5時の予約なのに、東京メトロ大手町駅

着いたのは、午後4時1分。

 

改札を出て、「さぁ何番出口か、、予約画面でもみて調べるか」と

思ったら、もうそんな必要は皆無。

 

地下鉄を降りて、改札を出てもまだ地下だが、10歩〜20歩以内に

「ワクチン会場、C2b出口→」の貼り紙。それも、通路の左右に

交互に貼ってある。

 

大手町で初めて下車して歩く人でも、迷うことはない。

もし道を間違えても、そっちから来る人のために、会場を示す

でっかい貼り紙があって、すぐ気づく。

 

だいたい、あまりにもたくさん貼ってあるから、

10歩行かなくても、立ち止まって前を見るだけで3枚以上、目に入る。

そのため、誘導の人員は、出口の近くだけでよい。

ばっちり。

 

 

そして地上に出ると、今度は人が立っているし、

そもそも出口からほど近い建物なので、見えてくる。

 

建物に近づくと、ここまでの順調な誘導が

勢いを生んでいる。ゲートへと促されると、

何の迷いもなく、「目的地にたどり着きたい」

という欲求につき動かされ、わらわらとゲートに向かう。

 

この時、予約より1時間ほど早かったが、誰も「時刻を確認して」

とか言ってこないので、何も気づかず中へ吸い込まれる。

 

それに、時間をつぶしたり、単に待つための空間は、

全く無い。

 

とりあえず入ってしまうと、自衛隊によるオペレーションの

対象となり、処理されてしまうわけだ。

 

手荷物検査があり、体温を測り、予診表を確認したら、

10人程度溜まるまで並べた椅子で待つ。

 

その椅子には「緑」や「赤」のカラーが割り当ててあり、

椅子の背もたれにも貼ってある。そもそも予診表をチェック

した後にもらうクリアファイルが、椅子と同じ色になっている。

(いやまぁ、ファイルの色の椅子に座るわけだ)

 

そして、OKのタイミングで(誰かがキューを出す)、

同じ色のクリアファイルを持つカラー集団が立ち上がり、

それぞれ色ごとの正面にある出口から出て、指示に従って

次の場所に移動する。

 

指示は明確、ドアは通る前に開けられる、通路は

パーティション、貼り紙、床のカラー矢印と案内スタッフに

よってはっきり示される。

 

指示は短く、情報は周りにわかりやすく配置されているため、

おそらく日本語が通じなくても誘導できると思われる。

常に複数のスタッフの目がゆきとどいており、何かあっても

数秒で誰かが反応してくれる。

 

スタッフ同士も常に必要な情報を伝達して確実に

誘導する。下手な細かいシナリオに全てが書いてある、

のではなく、その都度細かいことは確認しながら、

対象を迷わせずに誘導できる仕組みが構築されている。

 

どこにも2秒を超える混乱や迷いはなく(1秒かも)、

嫌な感じの対応もなく、まずいことをしないように

びくびくする必要も感じない。実際そんなこと

感じてる人はいない。

(↑ と信じるのに、5秒もかからない。そこが一番すごい)

 

 

緑のクリアファイルは、隣の建物の2階が会場なので、

エレベータで2階に移動。「壁に向かって立ってください」は

エレベータ内の貼り紙。

(案内スタッフは、そうしろとは言ってないか、ソフトに1回案内するだけ。要求も睨みをきかせたりもしない)

 

2階に着くと、医療担当者以外は、緑のビブス(メッシュの上着)を着用。

もちろん「緑 2階案内係」と白い文字で書いてある。

つまり、フロア内に「緑以外の色」があったら、すぐわかるし、絶対おかしい。

(きちんと制御された結界が張られている状態)

 

その後も適切な指示によって医師の予診とワクチン接種、証明ラベル貼りと

2回目の予約、経過観察と過ぎてゆき、午後4時55分には、東京駅行きの

シャトルバス(つまり、はとバス)に乗っていた。

 

 

バスが混むのでは、という心配は多分いらない。

東京駅から4分間隔で発車しているそうだし(行きは乗らなかった)、

定員の半分も載せずに出発したので、十分空いてる。

 

また、予約時刻より早く行っても特に問題はなかった。

というか、来た人間をどんどん捌いていくので、何時の枠だろうと

構わないのだろう。そこに対応すると、遅い人、早い人に対して

「どうする?」という問題が「発生してしまう」。

 

 

不要な問題を「発生させない」そして「細かいトラブル、迷い」は

みんなで見つめていて1秒で発見、対処してしまう。

 

これは、、すごい。

それでいて、嫌な感じが全くない。「従わされている」気は

かけらもしないし、つっけんどんな対応、失礼な扱いも

無いはずだ。(というか、そんなの有るとは思えない。全く!)

 

人(群衆?)を扱うテクニックがきちんと存在して、

それを使いこなす人がいることに、安心・感心。

 

「人ではなく、仕組みで動かす」ことが可能なんだと知り、

学んでみたい、やってみたいと思う。

 

いや〜、おもろい。

(ずっと楽しく周りを見回していたので、ちょっと変な人と思われたかも。でも何も感じさせずに対応してくれた皆さん、本当に素晴らしい&ありがとう)